実は今、帰省してます。大阪です。東京に住んでたときは、新幹線一本だったので、帰省にあまり抵抗はなかったですが、いまはずっと遠くなったので、なかなか帰れない。なぜ、実家からも遠く離れ、一番大切な人からも遠く離れ、独りで住むことになってしまったのか。
alanさんは、今日のステージの最後、「明日への讃歌」を歌う前に、「私はチベット族です」と言ってましたね。「『明日への讃歌』は愛と平和の歌です」という意味のことを、いつもこの歌を歌う前に言うのですが、今日は、それに続けて、「私はチベット族です」と。そして、「私も世界の平和を願っている」、と。 ところで、私の父親は板金工です。もう65歳過ぎてますけど、まだ現役。板金工は、半分は肉体労働ですが、半分は職人です。だから、仕事は日々の積み重ね。自分の腕を磨くのも、日々の積み重ね。自分の仕事を他人に代わってもらえない。自分の腕を使ってしか仕事ができないからです。だから私は、日々の積み重ねを人脈と呼ばれるもので補う人が嫌いです。 頼れる人がいなくても、自分の能力で仕事ができるようになることが、私の目標です。そういう生き方が認められないときは闘います。闘いはしますが、勝てるとはかぎりません。でも、負けていいのです。たとえ負けたとしても、相手に深く傷を残せるならそれでいいと思っています。傷とは、ばかみたいに努力している人間を認めないと大変なことになるよ、という傷です。 そのためには、まず自分がばかみたいに努力していないといけません。ところが、ばかみたいに努力していると、普通の人ならそつなくこなすことも、うまくこなせなくなります。すると、そういう点に関して非難されることもあります。例えば、「常識がない」という意味の非難をあびます。 でも、だからといって、ばかみたいに努力しなければいけないこと、私の場合は研究を、おろそかにはできません。あの人は研究しかできないからと思われたとしても、自分の仕事を他人に代わってもらえないことのほうが重大です。いろんなことを犠牲にしつつも、ひとつのことを突きつめていく生き方が尊重されない場面に出会ったら、わたしは闘いたいと思います。 さて・・・歌は、あってもなくても構わないことでしょうか。残念ながら、わたしは歌がないと生きていけないようです。今日は、一年ぶりくらいにカラオケに行きました。父と。2時間歌ってました。別に、毎日カラオケに行かないと生きていけない、と言っているのではありません。 でも、たとえ鼻歌でも、歌がないと生きていけない気がします。鳥の鳴き声を聴くのでもいいかもしれません。幸い、いま住んでいるところは、都会ではないせいか、美しい鳥の鳴き声が、良い季節になると聞こえてきます。 鳥はどこに向かって歌っているのでしょうか。空に向かってではないでしょうか。ではなぜ、空に向かって歌っているのでしょうか。それは、未だ見えない友に歌を届けたいからではないでしょうか。歌は、未だ見えない友と友を結ぶ言葉ではないでしょうか。 人脈とよばれる仕方でつながる人間は、あまりに近すぎると思います。自分の声が届くくらい近くにいるなら歌わなくてもよい。単に、賢く言葉を話せばいい。でも、そういう、耳打ちすれば伝わってしまうような言葉を超えないといけないのは、届くか届かないかわからない遠い人たちに、何かを伝えたいからではないでしょうか。歌というのは、だから、未だ見えない友へと向かう言葉なのではないでしょうか。 もちろん、私は歌を仕事にしていませんが、歌うように研究をしたいとは思っています。研究することとは、未だ見えない友へと歌いかけることです。そして、そういったことをわかりやすく言い換えれば、「愛」とか「平和」という言葉になるのだと思います。 自分の姿がないところで効果を発揮しない仕事では意味がないのだと思います。それは、歴史に残る仕事でないとだめだとか、そんな意味ではありません。実際、歌声は、流れるはじから消え去っていきます。研究も流れ去っていきます。だから、日々の積み重ねです。それをやめたら、孤独になるのです。歌を歌えなくなった鳥は、独りになるしかない。だから、歌い続けないといけない。研究も、日々、努力し続けないといけない。 一緒に歌ってくれる人が私にはひとりいます。その人は、その人が歌いかけるべき人たちに向かって、いま、歌いかけています。彼らはその歌を忘れないでしょう。賞賛される歌より、忘れ去られない歌のほうが、価値が高いと思います。なぜなら、歌は流れ去っていくからです。 さて、今日、alanさんには、「良い歌を、ずっと、歌い続けてください」と伝えました。私も、忘れ去られないような歌を歌える人になりたいと思っています。
by tmasada2
| 2008-03-21 22:42
| alan
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